筆者の実体験

月の半ばでファイル翻訳が使えなくなった話

海外メーカーからの技術仕様書(PDF・12ページ)を翻訳しようとしたのは月の15日のことでした。ところが「今月のファイル翻訳の上限に達しました」のメッセージが表示され、翻訳できません。振り返ると、月初に契約書2件・見積書1件の計3ファイルをすでに翻訳済み。無料版の月3ファイル制限をすべて使い切っていたのです。

急ぎだったので、PDFからテキストをコピーして1,500文字ずつ分割して手動翻訳しましたが、12ページ分の作業に1時間以上かかりました。この経験がきっかけで、ファイル翻訳の上限と回避法を徹底的に調べるようになりました。以下では、そこで得た知見をすべてまとめています。

― 田中 誠(AIツール歴3年・フリーランスWebライター)

DeepLファイル翻訳の上限一覧【無料版・有料版比較表】

DeepLのファイル翻訳機能は、PDF・Word(.docx)・PowerPoint(.pptx)・テキストファイルなどをアップロードするだけで、レイアウトを維持したまま翻訳してくれる便利な機能です。しかし、プランによって利用回数に明確な上限があります。

プラン 月額料金 ファイル翻訳上限 1ファイルの最大サイズ テキスト翻訳 用語集
無料版 ¥0 月3ファイル 5MB 1,500文字/回
Starter 約¥1,000〜 月5ファイル 10MB 実質無制限 ○(1件)
Advanced 約¥3,000〜 月20ファイル 20MB 実質無制限 ○(複数)
Ultimate 約¥6,000〜 月100ファイル 20MB 実質無制限 ○(複数)

※ 料金は2026年時点の参考値です。最新の正確な料金・上限はDeepL公式サイトでご確認ください。

対応ファイル形式

  • PDF(.pdf):テキストデータを含むPDFのみ対応。スキャン画像PDFは非対応
  • Word(.docx):書式・表・箇条書きを維持して翻訳
  • PowerPoint(.pptx):スライドのレイアウトを保持
  • テキスト(.txt):プレーンテキスト
  • HTML(.html/.htm):HTMLタグを維持したまま翻訳
  • XLIFF(.xlf/.xliff):翻訳メモリ用の標準形式

注目すべきポイントは、すべてのファイル形式が合算でカウントされる点です。「PDF1件 + Word1件 + PPT1件 = 3件」で月の枠を使い切ります。ファイルの種類ごとに別カウントではないため、業務で複数種類のファイルを扱う方は特に注意が必要です。

DeepLの文字数制限(1,500文字/回)について詳しく知りたい方は、DeepL無料版の上限に達した時の解除方法と対処法もあわせてご覧ください。

無料版で上限に達するとどうなる?(リセット日はいつ?)

無料版でファイル翻訳を3件使い切ると、それ以降はファイルをアップロードしても翻訳が実行されません。具体的には次のような挙動になります。

今月のファイル翻訳の上限に達しました

DeepL Proにアップグレードすると、ファイル翻訳の上限が拡張されます。

上限到達後の具体的な挙動

リセット日は毎月1日

ファイル翻訳の月間上限は毎月1日にリセットされます。例えば8月15日に上限に達した場合、次にファイル翻訳が使えるようになるのは9月1日です。月の途中で枠が回復することはないため、月初に翻訳計画を立てておくことが重要です。

DeepL制限のリセットタイミング早見表

  • ファイル翻訳(月3件):毎月1日にリセット
  • テキスト翻訳(1,500文字/回):即時リセット(1回ごとの上限のため翻訳するたびにリセット)
  • 短時間アクセス制限:数分〜数時間で自動解除
  • API Free(月50万文字):毎月リセット

重要なのは、ファイル翻訳とテキスト翻訳は別々の枠ということです。ファイル翻訳が上限に達しても、テキスト翻訳(1,500文字/回)は通常通り利用できます。この仕組みを理解しておくと、後述する回避法が活きてきます。

テキスト翻訳の制限について詳しくは DeepL「上限に達しました」の解除方法と対処法 をご覧ください。

PDF翻訳の制限と注意点(サイズ・レイアウト崩れ対策)

PDF翻訳の注意点を確認するイメージ

ファイル翻訳の中でも特に需要が高いのがPDF翻訳です。しかし、PDFには他のファイル形式にはない独自の制限と注意点があります。

PDF翻訳の制限事項一覧

制限項目 無料版 Pro版
月間翻訳回数 月3件(他形式と合算) 月5〜100件(プランによる)
ファイルサイズ上限 5MB 10〜20MB
ページ数 制限なし(サイズ内) 制限なし(サイズ内)
スキャンPDF(画像PDF) 非対応 非対応
パスワード保護PDF 非対応 非対応

PDF翻訳でよくある3つのトラブルと対策

トラブル1:レイアウトが崩れる

PDFの翻訳後にレイアウトが崩れる問題は、特に表・グラフ・画像が多い文書で発生しやすいです。翻訳後の言語は元の言語と文字数・文字幅が異なるため、表のセル内でテキストがはみ出したり、改行位置がずれたりします。

対策:

トラブル2:スキャンPDF(画像PDF)が翻訳できない

紙の書類をスキャンして作成したPDFは、テキストデータではなく画像データとして保存されています。DeepLはテキストデータのみを翻訳するため、スキャンPDFは認識できません。

対策:

トラブル3:ファイルサイズが大きすぎてアップロードできない

無料版では5MB、Pro版でも10〜20MBのサイズ制限があります。画像を多く含むPDFはサイズが大きくなりがちです。

対策:

PDF翻訳の注意点まとめ

  • スキャンPDF(画像ベース)は翻訳不可 → OCRでテキスト抽出が必要
  • 複雑なレイアウトのPDFは崩れる可能性あり → Word変換してからの翻訳を推奨
  • ファイルサイズ上限あり(無料版5MB)→ 圧縮・分割で対処
  • テキスト中心のシンプルなPDFは問題なく翻訳できるケースが多い

上限を回避する5つの方法(Word変換/分割/API Free/ChatGPT/Google翻訳)

ファイル翻訳の月3件上限に達してしまったとき、課金せずに翻訳を続ける方法を5つ紹介します。筆者が実際に試して効果があった方法を、おすすめ順に並べています。

方法1:PDFをWordに変換してコピペでテキスト翻訳する

最も実用的で手軽な回避法です。ファイル翻訳枠を消費せず、DeepLの高品質な翻訳エンジンをそのまま利用できます。

手順:

  1. PDFをWordに変換する(Google ドキュメントで開いてWord形式でダウンロード、またはSmallpdf等のオンラインツールを使用)
  2. Wordファイルからテキストをコピーする
  3. DeepLのテキスト翻訳エリアに1,500文字以内ずつ貼り付けて翻訳する
  4. 翻訳結果をWord等に順番に貼り付けて結合する

メリット:DeepLの翻訳品質をそのまま活用できる / ファイル翻訳枠を消費しない
デメリット:レイアウト(表・図)は再現されない / 長文は分割作業が手間になる

方法2:ファイルを分割して月をまたいで翻訳する

急ぎでない場合は、ファイルを優先度順に整理して月3件ずつ計画的に翻訳する方法です。

実践のコツ:

メリット:DeepLのファイル翻訳機能(レイアウト維持)をフル活用できる
デメリット:急ぎの翻訳には対応できない

方法3:DeepL API Freeを使う(月50万文字無料)

開発者向けのDeepL API Freeに登録すると、月50万文字まで無料で翻訳APIを利用できます。ファイル翻訳の月3件上限とは完全に別枠です。

手順:

  1. DeepL API Freeに無料登録する(クレジットカード登録不要)
  2. APIキーを取得する
  3. Pythonスクリプトやcurlコマンドでテキストを送信して翻訳結果を受け取る

メリット:月50万文字まで完全無料 / ファイル翻訳枠と別カウント / DeepLの翻訳品質
デメリット:プログラミングの基礎知識が必要 / ファイル翻訳API(レイアウト維持)は有料プランのみ

方法4:ChatGPTにファイルを渡して翻訳する

ChatGPT(GPT-4o)はPDFやWordファイルを直接アップロードして翻訳を依頼できます。DeepLとは異なるAIエンジンですが、文脈を理解した自然な翻訳が得意です。

使い方:ChatGPTにPDFをアップロードし、「このPDFを日本語に翻訳してください」と指示するだけです。無料版でもファイルアップロードが利用できます(回数制限あり)。

メリット:文脈を理解した自然な翻訳 / 「要約しながら翻訳」など柔軟な指示が可能
デメリット:長文PDFは出力が途中で切れることがある / レイアウト維持は不可

方法5:Google翻訳のドキュメント翻訳を使う

Google翻訳のドキュメント翻訳は、ファイル翻訳回数に実質的な制限がありません。PDF・Word・PowerPoint・Excelなどのファイルをアップロードして翻訳できます。

メリット:回数制限なし / 無料 / 対応ファイル形式が豊富
デメリット:翻訳品質はDeepLに劣ることが多い / レイアウト崩れが起きやすい

DeepLとGoogle翻訳の翻訳精度の比較については、DeepL vs Google翻訳 徹底比較をご覧ください。

5つの回避法 早見表

方法 難易度 翻訳品質 レイアウト維持 おすすめ度
Word変換+コピペ 簡単 高(DeepL品質) 不可 ★★★★★
月またぎ分割 簡単 高(DeepL品質) 可能 ★★★★☆
API Free やや難 高(DeepL品質) 不可 ★★★☆☆
ChatGPT 簡単 中〜高 不可 ★★★★☆
Google翻訳 簡単 やや崩れる ★★★☆☆

筆者のおすすめは方法1(Word変換+コピペ)です。DeepLの翻訳品質をそのまま使えて、ファイル翻訳枠を一切消費しません。レイアウトが不要な「内容把握」目的であれば最も効率的です。レイアウトを維持したい場合は、素直にDeepL Proへのアップグレードが最短の解決策です。

翻訳ツール全般の比較は AI翻訳ツール比較おすすめ12選 も参考にしてください。

DeepL Proにすべき人の判断基準

ここまで紹介した回避法でも対処しきれない場合は、DeepL Proへのアップグレードが現実的です。以下の判断基準を参考にしてください。

Proにすべき人(2つ以上該当で推奨)

  • ☐ 毎月4件以上のファイル翻訳が必要
  • ☐ PDFのレイアウトを維持したまま翻訳したい
  • ☐ 機密情報を含む文書を翻訳する(無料版は学習データに使用される可能性あり)
  • ☐ コピペ分割作業に毎月30分以上費やしている
  • ☐ 用語集機能で専門用語を統一して翻訳したい

無料版+回避法で十分な人

  • ☐ ファイル翻訳は月3件以下で足りている
  • ☐ レイアウト維持は不要(内容がわかればOK)
  • ☐ Word変換+コピペの手間が苦にならない

コスト計算の目安

Starterプラン(月約1,000円)で月5件のファイル翻訳が可能になります。コピペ分割作業に毎月1時間かけているなら、時給1,000円換算でちょうどトントン。実際には翻訳精度の向上やストレス軽減も含めると、月4件以上翻訳する方はProの方がお得です。

また、機密文書を翻訳する場合は特に注意が必要です。無料版では入力テキストがDeepLのAI学習に使用される可能性があるため、社外秘の契約書や仕様書を扱う業務ではPro(データ学習OFF)の利用を強く推奨します。

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DeepL Proの料金プランの詳細比較やユーザーの評判は、DeepL Pro 料金・評判レビューで詳しく解説しています。

まとめ・よくある質問

DeepLファイル翻訳の上限 まとめ

  • 無料版のファイル翻訳上限:月3ファイル(PDF・Word・PPTすべて合算)
  • リセット日:毎月1日
  • PDF翻訳の注意点:スキャンPDF非対応・サイズ上限5MB・レイアウト崩れのリスクあり
  • 回避法ベスト:Word変換+コピペでテキスト翻訳(DeepL品質を維持・枠消費なし)
  • Pro移行の目安:月4件以上のファイル翻訳 or レイアウト維持が必要な場合
DeepLのファイル翻訳は月何回まで使えますか?
DeepL無料版のファイル翻訳は月3ファイルまでです。PDF・Word・PowerPointなどすべての形式を合算してカウントされます。毎月1日にリセットされ、有料版はStarterで月5件、Advancedで月20件、Ultimateで月100件まで利用できます。
DeepLでPDF翻訳すると上限にカウントされますか?
はい、PDFファイルの翻訳もファイル翻訳の上限にカウントされます。無料版では月3件の枠を消費します。PDFの内容をコピー&ペーストしてテキスト翻訳すればファイル枠を消費せずに翻訳できます。
DeepLファイル翻訳の上限を回避する方法はありますか?
主な回避方法は5つあります。(1)PDFをWordに変換してコピペでテキスト翻訳する、(2)ファイルを分割して月をまたいで翻訳する、(3)DeepL API Freeを使う(月50万文字無料)、(4)ChatGPTにファイルを渡して翻訳させる、(5)Google翻訳のドキュメント翻訳を使う。詳しくは上限を回避する5つの方法をご覧ください。
DeepLでスキャンPDF(画像PDF)は翻訳できますか?
DeepLはスキャンPDF(画像のみのPDF)には対応していません。OCRツール(Adobe Acrobat・Googleドキュメント等)で事前にテキスト化する必要があります。ChatGPT(GPT-4o)なら画像内のテキストを読み取って翻訳することも可能です。
ファイル翻訳の上限はいつリセットされますか?
毎月1日にリセットされます。例えば8月20日に上限に達した場合、次にファイル翻訳が使えるのは9月1日からです。テキスト翻訳(1,500文字/回)は別枠のため、ファイル翻訳が上限でも引き続き利用できます。
DeepLのファイル翻訳とテキスト翻訳は別カウントですか?
はい、別カウントです。ファイル翻訳(月3件)の上限に達しても、テキスト翻訳(1,500文字/回)は通常通り利用できます。ファイルの内容をコピーしてテキスト翻訳に貼り付ければ、ファイル翻訳枠を節約できます。

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田中 誠
AIツール専門ライター|50ツール以上を実際に検証
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